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For retailers2023/06/12

クリックアンドコレクトとは?メリットデメリット、日本の事例を解説

インターネットの普及により、オンラインショッピングを利用する人が年々増加しています。そのような動きのなかで、購入者の商品受け取り方法もさまざまな種類が利用されるようになりました。

本記事では、オンラインで購入した商品を自宅以外の、店舗や宅配ボックスで受け取る「クリックアンドコレクト」という用語について詳しく解説します。

クリックアンドコレクトとは

「クリックアンドコレクト(Click and Collect)」とは、オンラインで購入した商品を、自宅以外の場所(店舗など)で受け取る形式のことです。商品受け取り場所としては、以下があげられます。

・ドライブスルー方式
・実店舗
・街中の宅配ボックスを利用

クリックアンドコレクトは物流業界の業務効率化にも貢献するでしょう。たとえば、購入者が自ら店舗や宅配BOXに赴くことで、再配達が不要になります。業務効率化ができれば、配達員の人手が足りない問題の解消にもつながります。
クリックアンドコレクトは、近年ヨーロッパやアメリカなどの海外を中心に普及している購買方式です。後述しますが日本でも無印良品やユニクロなど、自宅以外での商品受け取りは徐々に浸透しつつあります。

クリックアンドコレクトのメリット3選

本章では、クリックアンドコレクトのメリットについて3つご紹介します。販売者側・購入者側双方にメリットがあります。

①送料・配送コストを節約できる

クリックアンドコレクトに関しては、販売者・購入者双方で、送料や配送コストを節約できるというメリットがあります。

購入者にとっては、クリックアンドコレクトの場合、販売者指定の場所に商品を受け取りに行くため、送料が無料になるという恩恵を受けられます。自宅に配送だと送料がかかってしまうことと比べると、お手頃な価格で購入できるのです。

また販売者にとっても、クリックアンドコレクトによって商品を購入者の自宅に配送する手間を省けます。実店舗で商品を受け取る場合、商品を配送する必要がありません。そのため、大幅な配送コストの削減が可能です。ほかにも、宅配ボックスを利用するケースもあります。個人宅への配送のように一軒一軒回らず、宅配ボックス一か所に配送するだけで済むため、配送コストを節約できます。

②【販売者側】ついで買いが期待できる

クリックアンドコレクトを活用した購入者が、別の商品を購入する可能性があります。
クリックアンドコレクトでは、商品を実店舗で受け取ることがあります。実店舗に来店した購入者は、置かれてある他の商品に目を惹かれるかもしれません。

結果クリックアンドコレクトにより、購入者へついで買いを促すことで、客単価が上昇するでしょう。つまり、クリックアンドコレクトは、オンライン販売と実店舗の相乗効果を上手く利用できるといえます。

③【購入者側】都合の良い時間に受け取れる

購入者側のメリットとして、都合の良い時間に受け取れる点が挙げられます。
日中勤めている人や外出している人は、家を不在にすることが多いでしょう。その際、不在続きで配送業者とすれ違うことも多く、なかなか商品を自宅で受け取れないことも起こります。
クリックアンドコレクトを利用した場合、自身のタイミングで受け取り場所に向かえばよくなり、再配達の依頼や受け取り時間まで自宅で待機する手間も省けるのです。

クリックアンドコレクトのデメリット3選

クリックアンドコレクトには、多くのメリットがある反面、いくつかのデメリットもあります。
ここでは、クリックアンドコレクトを利用する際に、考慮した方がよい点を3つ解説します。

①【販売者側】ECサイトと実店舗の両方が必要になる

販売者はECサイトと実店舗の両方が必要になる点に注意しましょう。商品受け取り方式が自宅のみであれば、ECサイトだけでも十分でしょう。

一方、クリックアンドコレクトを採用すると、実店舗での商品受け取りが選択として入ります。そのため、クリックアンドコレクトでは、ECサイトだけではなく、採用する受け取り方法次第で実店舗も必要です。

ただしこのデメリットは、既に実店舗を構えている会社であれば、懸念する要素はないでしょう。

②【販売者側】在庫データ管理システムを管理する必要がある

販売者がクリックアンドコレクトを導入するのであれば、ECサイトと実店舗の在庫状況を常に連携しておくシステムの整備が重要でしょう。以下の状況が起こらないように、リアルタイムで更新されるようなシステムが必要です。

・実店舗では置いていたのにECサイトでは品切れになっている
・実店舗や実際の在庫状況では品切れなのにECサイトでは販売中になっている

加えて、購入者のついで買いを狙うのであれば、来店した顧客の購入機会を見逃さないように、その他の商品の在庫も同じように確保しておく必要があります。

③【購入者側】配送と違い店舗までの受け取りに手間がかかる

クリックアンドコレクトでは、購入者が自ら店舗に赴く手間が発生します。
自宅への配送と違い、実店舗で商品を受け取る方式は、購入者の都合の良い時間帯を選べることがメリットでした。

一方で、自宅から店舗までの間に距離がある場合、荷物を持った状態で長距離の移動をする必要があります。
距離が遠くなればなるほど、移動費がかさんでしまうため、自宅配送の送料よりも高くつくケースもあるでしょう。

クリックアンドコレクトに関する日本の事例を3つ紹介

各企業は、クリックアンドコレクトを浸透させるために、さまざまな活動をしています。
この章では、日本企業の導入事例について3つご紹介します。

①無印良品|新業態の「無印500」で受け取り拠点を設置

無印良品は、クリックアンドコレクトを導入している企業の1つです。
24時間いつでもECサイトからの注文が可能で、注文した商品は、購入者の好きな店舗で受け取れます。

無印良品では、クリックアンドコレクトを浸透させるために、拠点としての店舗を近年大幅に増やしています。そして、今後もさらに店舗数が増加する見込みです。

また無印500という、500円以下の日用品を集めた店舗が増えています。日用品中心の商品が取り揃えられた店舗をクリックアンドコレクトの拠点とすることで、「そういえば、これが切らしているな」という購入者の「ついで買い」を促しています。

②ユニクロ|最短1時間で店舗受け取りが可能

ユニクロでは、オンラインで購入した商品の受け取り方法として「通常配送・置き配サービス・店舗受け取り・コンビニ受け取り」の4つを取り揃えています。
店舗で商品を受け取る方法では、商品の在庫が店舗にあれば、最短1時間で商品を受け取れることが特徴です。

店舗で商品受け取りが普及することで、自宅までの物流コストを抑える効果があります。そのため購入者だけではなく、ユニクロにとっても、よい効果があるといえるでしょう。

③ワークマン|ECサイト顧客の65%が店舗受け取りを選択

ワークマンは、購入者に上手くクリックアンドコレクトを浸透させている企業の1つだといえます。ワークマンのオンラインストアでは、65%の購入者が店舗での商品受け取りを選択しています。

ワークマンのオンラインストアは、店舗を主軸にしてサービスを展開していることが特徴です。実店舗の在庫状況や、オンラインストアから店舗への輸送状況などの情報共有に重点を置いています。そのため、購入者に注文してもらいやすく、来店を促進する効果が得られるのです。

クリックアンドコレクトに関するよくある質問

文脈で取り上げきれないものの、よくある質問内容に関して以下で回答しています。クリックアンドコレクトに関して、知識を深めたい方はご覧ください。

クリックアンドコレクトとbopisとの違いは?

「bopis(ボピス)」とは、クリックアンドコレクトに内包される形式の一部です。
bopisは”Buy Online Pick-up In Store”の略語です。意味としては、オンラインストアで購入した商品を店舗で受け取る買い物形式のことを指します。
前述の通りクリックアンドコレクトには、店舗以外にも宅配ボックス・コンビニなどの受け取り方法があります。

クリックアンドコレクトで購入した商品の返品・交換などはどうなる?

ユニクロや無印良品では、返品はオンラインストア側で対応するため、実店舗側での返品対応はしていません。

ただし、商品の交換は実店舗側で対応できます。そのため、受け取った商品に初期不良があった際や、サイズが合わなかった場合には、実店舗を利用するとよいでしょう。

返品や交換の方法は、店舗ごとにも違うため、注文前に規約を読んでおくことも重要です。

まとめ

本記事では、クリックアンドコレクトに関するさまざまな内容を解説しました。クリックアンドコレクトは、購入者・販売者の両者にとって、大きなメリットがあります。

しかし、クリックアンドコレクトの注文用アプリ開発や、顧客データの管理など社内での業務を増やしてしまう煩雑な作業がついてくることも事実です。

弊社で提供しているL.B.B.Cloudには、注文をLINE経由で行ったり、モバイル決済とレジ情報を連携したりなど、クリックアンドコレクトを簡単にする多様な機能が備わっています。
小売事業者の方でクリックアンドコレクトを取り入れようとお考えなら、弊社にご相談ください。

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